名古屋へ視察!「障がい者就労」を考える!目指せ、障がい者就労施設の工賃アップ!

 12日から1泊2日で、名古屋、静岡県掛川市へ、健康福祉常任委員会の視察がありました。
 視察のテーマは「障がい者就労」についてです。

 11日最初に訪れたのは名古屋市社会福祉法人「名古屋ライトハウス」さんです。

 ライトハウスさんでは様々な事業を行っていますが、今回、視察をさせていただいたのは、「西部施設」と呼ばれる金属工場(主に缶の製造)とかんせい工房(パン工場)の2施設です。
 パン工場では、非常食用「パンの缶詰め」を製造されているそうで、賞味期限はなんと5年!とのことでした。価格は二個入りで300円。非常食用にと全国の備蓄倉庫向けに出荷されているそうです。


 この工場で、約40人の障がい者の方が働いているとのことでした。

 驚くのは、ここでの月の平均工賃(賃金)です。

 全国の就労継続支援事業所B型(障がい者就労施設)における月平均賃金は14190円(H24)に対し、こちらはなんと!42000円!とのことでした。
 約3倍の数字です。
 ちなみに松戸は10343円、千葉県平均は12819円とかなり低い状況にあります。

 さて、その理由は?とここが今回の視察のメインテーマなわけですが、その答えはとは、、、ずばり!自社製品の製造です。

 一般的には、就労B型では、ラベル貼や箱の組み立てなど、下請け的な仕事が多いのが現状ですが、こちらでは自社ブランドの製品を製造販売しています。
 この点が、賃金の大きな差になっていると思われます。

 賃金が上がれば当然、仕事へのやる気が違うはずです。
 そして、そのやる気によって「障害」を少しでも克服していければ、次のステージである就労継続支援のA型(ライトハウスさんでは金属工場、月約10万円の賃金)で働くことが出来るようになるかもしれません。

 そして、いずれは一般就労(一般企業などへの就職)につながるかもしれません。

 松戸でも障がい者施設で競争力のある「自社ブランド品の製造販売」が出来れば、工賃アップも望めるかと思いますが、課題はたくさんあります。

 例えば「設備投資」です。パン工場ではその機械の設備だけでも3000万はかかっています。
 これだけの設備投資資金をどうするのか?
 また、受注をどう受け付けるのか?つまりは営業をどうするのか?です。
 障がい者就労施設では、一般企業とは違い、受注の増減に対しその納期を守れるのか?という点が問題となっています。
 急ぎの仕事はなかなか対応ができないのが現状のようです。こうした点から「営業」は企業とは違いこうした点に配慮しながら受注をしなければならないので、非常に難しいと思います。

 「パンの缶詰め」は備蓄用ということで、計画生産ができるので、こうした障がい者施設にとっては、まさにうってつけの商品といえると思います。

 松戸の施設でもどうしたら工賃アップができるのか?何をつくればいいのか?今後も「障がい者の方の自立」のためにも考えていきたいと思います。

 この見学の後は、「一般就労」について別の場所へ移動して視察を行いました。(次回へ)