前代未聞!伊勢丹支援策、全議員が反対!

 昨日、約1カ月続いた9月議会が終了しました。

 昨日の最終日、各議案の採決が行われ、事実上の伊勢丹支援策が、なんと、全議員の反対により修正削除となってしまいました。

 過去二回のこのブログでも報告させていただきましたが、様々な問題を抱えた今回の市の提案、本当によくこれを議会に出したものだというのが正直な感想です。
 では、改めてどんな提案内容であったのか?問題点はどこにあるのか?報告します。

提案内容(伊勢丹支援策の中身) 現在、地下1階から地上11階での営業を、地下1階から4階までの営業に縮小。さらに4階フロアーの約6割に当たる506坪に市の施設をテナントとして入居させるというものです。
 契約期間はH30,9〜H40,6の9年9カ月、賃料の総額は21億600万円。

市の説明
 老朽化によりメンテナンスコストがかかることが懸念される上矢切にある総合福祉会館。ここに同じく老朽化の進む矢切支所と20世紀が丘消防署を集約し建て替えする。
 これにより、3施設をそれぞれ単独建て替えした場合より、約19億円のメリットがあるとしています。
 そして建て替え後、総合福祉会館内にある「市民サポートセンター」と松戸文化ホール内の「県生涯大学校」並びに県から市に業務が移譲される予定である「旅券事務所」を伊勢丹4階フロアーに入居させるというもので、あくまで今回の提案は公共施設の再編のために行うものとしています。
 こうした市施設には年間10万人以上の来場者があるとしていて、これら来場者が1人平均6300円使うとした場合、年間で6億3045万円の経済効果が生まれるとし、集約建て替えによる約19億円のメリットと合わせて考えれば、約10年で21億600万円の賃料を払ったとしても尚、メリットがあると説明しています。

市提案の問題点①1坪当たり28000円(1月あたり)という家賃の高さ
 現在、市役所が手狭なため、周辺に事務所を借りています。その家賃を調べてみれば、教育委員会などが入居するビルで、共益費込みで坪当たり13100円/月。役所から徒歩5分のまちづくり課などが入居するビルでは1坪7455円/月です。
 今回の市提案の伊勢丹家賃は2〜3倍以上となっており、高いと言わざるを得ません!

市提案の問題点②伊勢丹からのまた貸し!税金による1企業支援は、正しいのか
 今回、市は、伊勢丹からフロアーを借りるとしていますが、実は、伊勢丹ビルのオーナーは、外資系会社のフォートレスです。
 なので、伊勢丹は、フォートレスからフローを借り、その家賃に利益を上乗せして市に貸すいわゆる「また貸し」であることが判明しています。
 こうした点から、今回の提案が、「事実上の伊勢丹支援策」と言われる由縁となっています。
 市はなぜ、直接所有者から借りないのか?わざわざ、高い家賃(税金)を払ってまで借りる必要があるのか?
 1企業の支援のための税金投入は許されるのか?問題だと思います。

市提案の問題点③甘すぎる市の事業効果試算! 市施設の伊勢丹フロアー入居により、来場者10万人で年6億6045万円の経済効果がある都市はしていますが、果たして本当なのでしょうか?
 計算すれば、1人当たり約6300円使う必要があり、本当にそれだけ使うのか?正直、ありえないと思います。

市の問題点④住民監査請求、訴訟のリスク
 今回、1企業への税金投入が決まれば、その税金投入の是非をめぐって住民監査請求や訴訟が起こされるリスクがあり、市がこれらに勝てるかは疑問です。

 ほかにも、他の商業者から市に対し、支援を求められたら市はどう対応するのか?など問題点を挙げたらきりがありません!
 なぜ、こんな提案を議会にしたのか、本当に疑問です。
 どう考えても今回の提案は「税金投入の公平さ」から見ておかしく、とてもYESといえるものではありません!
 
 今回の議会による反対により、伊勢丹側の市への期待もこれでなくなってしまうかもしれず、残念ながら伊勢丹の完全撤退が現実味を帯びるかもしれません!。
 しかし、こうしたことは市も容易に想像できたはずなのに、なぜ強硬に提案したのでしょうか?伊勢丹に失望させてどうするのでしょうか?それとも仮に伊勢丹撤退となったとき、その責任を議会側にあるとしたいのでしょうか?
 本当に理解に苦しみます。

今後どうすれば? 市内唯一の百貨店である伊勢丹の存続は、市も議会も多くの市民も望むことかと思います。
 なので、あきらめずに、経済効果、税収入、市民の雇用など伊勢丹存続のメリットを最大限に考え、市が合法的にできる支援策を早急に伊勢丹側に提示する必要があると思います。

 1議員のできることとして、市に提案していきたいと考えています。

 私も思い出ある伊勢丹には、松戸に残ってもらいたいと考える1人でもありますので、、、