9月議会の報告をします!パート3 市役所の建て替え問題!一番の問題は?

 現在、市が示している市役所の「段階的整備案」について繰り返しですが簡単に説明します。

 

地震調査委員会の資料

市役所建て替えの前提は?

 現市役所は、敷地内(市所有:15,159㎡)に、4つ建物があります。

本館(昭和34年竣工:3,684㎡) 耐震性なし IS値0.3

新館(昭和44,45年竣工:11,894㎡) 耐震性なし IS値0.3

議会棟(昭和53年竣工:3,686㎡) 耐震性あり IS値0.71

別館(昭和58年竣工:3,760㎡) 耐震性あり 新耐震設計

 

 合計で23,204㎡の延床面積ですが、そのほか敷地外に

建物5つ、計6,594㎡を市所有、賃貸していています。

 ですので、現市役所は総合計で29,798㎡、約3万㎡の延床面積となっています。

 現在の人口や、職員数、他自治体の施工例などを総合的に考え

 約3万7千㎡(詳細はまだ検討中)の延床面積の新庁舎建て替えを目指すことになっています。

 

段階的整備案とは?

 当初、市は相模台(旧法務局跡地)の国有地8,745㎡に37,000㎡の新庁舎を建設し、全面移転することを考え、昨年の5月末に臨時議会を招集し、議会に提案しました。

 しかし議会は「土地が狭い」などの理由でこの提案を反対多数で否決しました。

 

 今年の1月になり市は、全面移転案の代替案として、耐震性がない現本館・新館部分相当として約2万㎡の新庁舎を同じ国有地に建設し、現本館新館部分をまずは移転させる(第1ステップ)

 その後、残る1万7千㎡の新庁舎は第2ステップとして、議会と話し合いながら今後決めていきたいという市役所を段階に建て替える段階的整備案を議会に示しました。

 

段階的整備案の一番の問題は?ズバリ!移転までの8年間だ!

 この整備案の一番の問題は、第1ステップ完了(2万㎡の新庁舎建設&移転)まで

耐震性のない現本館・新館を8年間使うという点です!

 

本当にヤバい!?本館・新館の耐震性能

 耐震性能を表す値として、一般的には、IS(アイエス)値で表されています。

詳しくはこちら↓

耐震診断で重要となるIs値(耐震指標)の基礎知識 (taishin-jsda.jp)

 

 Is値(構造耐震指標)とは耐震診断により、建物の耐震性能を示す指標で、Is値0.6以上で耐震性能を満たすとされていますが、文部科学省では学校の耐震強度はIs値0.7以上を保つよう求めています。
○Is値0.3未満:大規模な地震震度6~7)により倒壊や崩壊の危険性が高い建物です。
○Is値0.3以上0.6未満:大規模な地震により倒壊や崩壊の危険性がある建物です。
○Is値0.6以上:大規模な地震に対して倒壊や崩壊の危険性が低い建物です。
文部科学省の構造耐震指標(Is値)は0.7以上を求めています。
国土交通省の構造耐震指標(Is値)は0.6以上を求めています。

つまりIS値は数字が大きくなれば耐震性能があるということになり、民間の建物では0.6以上あれば耐震性能があるとされています。

 

 では、現本館・新館は?

 市の公表値はいずれも0.3となっています。なので

「大規模な地震により倒壊や崩壊の危険性がある建物」のゾーンにあるといえます。

 しかし実際はどうでしょうか?

 実は、この0.3という数字は、耐震診断の2次診断(平成7年実施)で求められた数字です。

 又、市は翌8年により詳しい3次診断を行っています。

 問題なのはその診断結果です!

 診断の結果は、なんと! IS値は0.25でした。ということは

震度6~7の大地震にたいして

 倒壊や崩壊する危険性が高いのゾーンにあるということです。

 

地震は来るのか?

 大地震が8年間で来るか来ないかは誰にももちろんわかりません。

 しかし、政府の地震調査委員会が発表した今後30年で、震度6弱以上の地震が来る確率(関東地方)は以下のようになっています

地震動予測地図 震度6弱以上 各地のリスクと確率 揺れやすさ - NHK

 

 松戸で言えば50%くらいでしょうか?

 

 又、仮に本館・新館が平日に大地震が来て崩壊したらどうなるのでしょうか?

 大きな被害が起きるのことは容易に想像できてしまいます。

 

 加えて、IS値は、経年指標もその指数となっています。

 診断から約30年経過していますので、コンクリート強度などは下がっているとみるのが当然で、現状で、

本当に0.25あるのか、これよりも下がっているとみるのが妥当 と思います。

 

 

移転でも現地建て替えでも仮庁舎を!

 市庁舎崩壊のリスク、その被害の大きさを考えれば、やはり、今すぐにでも本館新館の仮庁舎を検討すべき!です。

 9月に閉店となった旧ダイエー松戸西口店(約17000㎡、IS値0.77)を仮庁舎にする提案を市に行いましたが、市は「移転と決めたから検討はしない」と拒否しました。

 大地震が来て崩壊となれば、一体、だれが責任を取るのか?

 と聞けば返答はなし!あまりにも無責任と思います。

やっぱり、、、

 この8年間の大地震に対するリスクが、段階的整備案の一番の問題です!