昨日に引き続き、12月議会の報告です。
反対した議案2つの内のもう一方、議案第40号(指定管理者の指定)についてです。
議案内容は、松戸市文化会館(森のホール)と市民劇場を4年間の指定管理を松戸市文化振興財団に任せるか否かというものです。
反対の理由は、直近の4年間で、二つの事件(不当解雇で訴えられた問題、舞台での死亡事故発生)があったにもかかわらず、公募をせず、随意契約で引き続き文化振興財団を管理者にお選定したことです。
以下、増田薫議員が会派代表で行った討論を記します
令和3年12月定例会 |
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議案番号 議案名 |
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議員名・会派名等 |
政策実現フォーラム |
賛否態度 |
反対 |
賛否など態度決定に至った理由や 討論 |
政策実現フォーラムの増田薫です。 ただいま議案となっております、指定管理の指定についての4つの議案のうち 議案第40号「松戸市文化会館及び松戸市民劇場」について反対の立場で、立憲民主党、政策実現フォーラムの2会派を代表し、討論いたします。 今回の審査で我々が最も重要視したのが「随意契約の妥当性」についてです。 皆様もご案内のように、指定管理者制度の目的は「民間の能力の活用」「経費の節減」の大きくは二つです。こうした指定管理制度について、本市の基本方針は、平成16年10月に定められており、市の施設、38種、147施設をその制度導入の対象としています。 今回の議案で見てみれば、市民センター、勤労会館は「場の提供が主」の施設に分類され、一部市民センターは除いて「原則公募により指定管理者制度に移行する」とあります。これはみのり台市民センターのことだと思います。 又、文化会館、市民劇場は「場の提供と独自事業を合わせて行う施設」に分類され、こちらも原則公募による指定管理者制度への移行をするとあります。ですので、今回の議案の対象施設は、みのり台市民センターを除いて原則、公募による管理者選定が市の基本方針となっています。 こうした点を踏まえ、委員会時の質疑で、随意契約の施設と公募による選定を行っている施設について、それぞれ制度開始年度の平成18年度と令和3年度の指定管理料の比較をお聞きしました。 結果、公募を行っている施設は、増加率11.2%に対し、随意契約のみのり台市民センターは68.4%の増加、文化会館では約30%の増加ということで、随意契約の施設のほうが、大きく増加していることが分かりました。 指定管理者制度の目的の一つは「経費の縮減」ですので、この目的と照らしても、先の市の方針と照らしても、特に文化会館、市民劇場の随意契約はおかしいと思います。 文化会館について質疑で、なぜ、公募としないのか?とお聞きしましたが、「全国の文化会館で公募を行っているのは2割程度だから随意」とのお答えでした。しかしこれは、随意契約をする理由にはなりませんし、自ら定めた方針にも、制度の目的からも外れた随意契約としたいがための詭弁にすぎないと考えます。 加えて、文化会館は、直近の4年の指定管理期間内に、元職員からの不当解雇との訴えを起こされたことや、舞台での死亡事故と大きな事件が二つもありました。にもかかわらず、毎年行われている市の評価による危機管理の項目を聞いたところ「良好」となっているとのご答弁があり、そもそもきちんと評価されているのだろうか?と大変疑問に思いました。 このように制度の目的や市の方針からも外れ、かつ大きな事件のあった文化会館を、公募の検討もせずに随意契約による選定とすることは、文化財団の良し悪しとは別に市の姿勢として間違っていると判断し、議案第40号には反対します。 最後になりますが、議案審査の過程で感じた問題点を述べておきます。 増加率の差からも分かるように、随意契約と公募の指定管理代行料に大きな差が起きている件を、どうバランスを取っていくか、そろそろ再検討していく必要があるのではないでしょうか。また、せっかく市民センターを南北に分けて一つの事業者が独占しないように図っているのに、スポーツ施設を管理代行しているシンコースポーツが市民センターの南部グループを管理代行するのは、市全体の質問事項対象施設を見た時にバランスが良いとは思えません。これでリスクマネジメントができているのでしょうか。 それから、審査委員会についてです。原則として内部委員と外部委員が3名ずつの計6名とされていますが、内部委員が1名で外部委員が5名でも条例上の問題はありません。さらなる透明性を担保するためには、外部委員の比率を増やすなど、委員構成を再検討するべきではないでしょうか。 指定管理者による管理が適切に行われているかどうか見直す機会が、指定管理の期間が満了する今となります。審査委員会に判断を丸投げし、手放しで随意契約をしようとする市の姿勢には納得できません。市はプロポーザルをして、客観性、透明性を図る姿勢を市民に見せるべきだったのではないでしょうか。 以上、満場の皆さまのご賛同をお願いし、2会派を代表しての反対討論とします。
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