反対多数で否決!!市役所移転候補地購入議案!

 臨時議会最終日、今日の10時から本会議が開かれ、議案第4号、「財産の取得について」(内容は、市役所の移転候補地、相模台の国有地8,745㎡を30.2億円で購入するもの)討論の後、採決が行われ反対多数で否決されました。

 

 採決結果は賛成13人、反対30人

 賛成13人:公明党10人、無所属3人 大橋ひろし、中村のり子、鴫原まい 

 反対30人:市民クラブ12人、はじめの会5人、政策実現フォーラム・社民4人

       日本共産党4人、立憲民主党3人、無所属2人

(注:敬称略、順不同、議長は採決には加わりません)

 なぜ反対なのか?については、会派を代表して、私が本日行った反対討論を以下、記しますのでご覧ください。

 

議案第4号への反対討論

政策実現フォーラム、社民の原ゆうじです。

議案第4号 財産の取得について、会派を代表して反対の立場から討論をさせていただきます。

 議案内容は、相模台の未利用の国有地8,745㎡を、市役所用地として、30億2千万円で購入するというものです。

委員会審議の中でも確認しましたが、今回の議案で、議会に問われているのは二つで、1つは、30億2千万円という価格の妥当性。もう1つは、用途を市役所用地として買うか否かという点であります。

価格の妥当性につきましては、すでに議会は、我々は反対をいたしましたが上限38億円までの予算を認めています。今回の金額はその範囲内ですので、金額に対しての疑義は無いものと思います。

とすれば、審議のポイントは購入の目的、市役所用地としての購入を認めるのか否かこの部分が問われているのだと思います。

しかし、先に結論から言えば、わが会派の答えはNOであります。認めるわけにはいかないと考えます。それでは以下、議案への反対理由を述べます。

まず、反対理由の一番は、多くの方が指摘しています今回の議案、土地購入議案の上程はやはり順番が違うという点です。

今回、我々議会が、この議案を認めれば、当然、市は市役所の当該地への移転を議会が認めたとして移転への舵を大きく切っていくはずです。

しかしながら、市役所移転の是非、議会の最終判断は、住所変更の特別議案、出席議員の3分の2以上の同意をもって行われるものと理解しています。

そして、その特別議案について、今回、多くの委員から、移転候補地の購入前にあるいは同時に出すべきだとの意見が出されました。

しかし、市は、2~3年後に出していきたいとあくまで土地購入を先行させ、今回上程しました。

一体なぜなのでしょうか?

先ほども述べましたが、今回議会が認めれば、市は、今後、基本計画、基本設計、実施設計と2~3年で行っていく考えを質疑で確認しています。

そしてそのどこかのタイミングで特別議案を上程するようですが、そこでもし、3分の2以上の同意が得ることが出来なければさてどうなるのでしょうか?

この間の計画策定や設計にかかる費用、加えて、期間中の職員の労力が報われず、大きな損失となるはずです。そして何より、耐震性不足から命を守るため、早さが求められている市役所建て替えなのに、その貴重な時間を大きくロスすることになります。

このようなリスクを避けるためにも、仮に市があくまで移転というのならば、直ぐにでも特別議案を出し、議会の信任を得てから候補地の購入を進めるべきなのは明白です。

こうした議案の順番について、わが会派は、他市への視察の際、本市の状況、まずは候補地の土地購入から本市が行おうとしていることを話した際、「松戸市さんはずいぶん変わったことをしますね」と言われました。

そして、委員会審議でも、過去の例、現市役所へ移った当時の順番を確認しましたが、先に特別議案、後に土地購入議案となっていることが分かりました。

過半数で決まる土地購入を先行し、3分の2以上の同意が必要なハードルの高い特別議案を時間的、費用面でのロスというリスクが分かりながら、後で出す。このような市のやり方には納得いきません。

土地を買ってしまい、基本計画、設計を進めてさえすれば、今の反対議員も賛成せざるを得ないだろう黙らざるを得ないだろうとそんな姑息な考えを仮に持っているのだとしたら、それは言語道断であると厳しく指摘をさせていただきます。

市は他市から笑われないよう正々堂々、議案の順番を守るべきであります。

これが一番の本議案に対する反対理由となります。

その他にも、候補地の立地に対する懸念、土地の一部が土砂災害警戒区域内にあること。周辺道路の渋滞増加への懸念。候補地に唯一接する道路が通学路となっていることから交通事故増加への懸念。急こう配な坂を上らざるを得ないというアクセスにたいする懸念などがぬぐい切れないこと。

又、土地の狭さに対する懸念。いまだに規模は確定していませんが、上限で41,000㎡としている市庁舎を本当に建てることが出来るのか、容積率的には、8745の400%、34,980㎡の建物しか通常は建てることが出来ない土地に、280台収容の立体駐車場を本当に建てることが出来るのか?こちらは設計が出来なければその可否は判断できませんが、平場では、5,230㎡しかない候補地です。

かなり厳しいと言わざるを得ません。

こうした狭い土地ですので、将来の市役所建て替えは敷地内では出来ないこと。総合医療センターのように設計時での増床や、新たな施設の増設は不可能と思われます。

最後の反対理由に今回出された基本構想(改案)に対する疑念があることを挙げたいと思います。

委員会審議中も多くの指摘をさせていただきましたので、全て述べることは避け1点だけ申し上げます。質疑で確認しましたが、市は今回の移転候補地の価値を、購入予定価格30.2億円に解体費用など2.7億円を加えた32.9億円とみていること。対して現市役所の土地は構想案にある35億円から現在までの上昇率を勘案、さらには解体費用見込みを加えた52億円程度の価値があるとみていることが分かりました。

構想案では、事業収支の比較で、移転案のほうが現地建て替え案よりも11億円程度安いとされていますが、これは、移転案では市役所跡地、現在の市役所敷地を売却する収入35億円が大きく影響しています。

しかし、よく考えてみれば、約52億円の広い土地を売って約33億円の狭い土地を買うので、資産としては20億円弱の減少となります。20億円に近い市民の財産を減少させるのに、移転案が約11億円有利となったと大見えを切って市民へ伝えるのはどうかと思っています。こうした資産の減少という視点を評価項目に加えるのが当然で、これで本当に公平な比較をしたといえるのでしょうか。

以上の理由から、当該国有地への市庁舎移転は困難と判断し、今回の市役所用地としての土地購入には反対とさせていただきます。

さて、今回、市役所用地として購入が仮に否決されてももちろん問題の解決になりません。

急ぐべき市役所の建て替えをどうするのか?当該国有地の活用を市としてどうするのか?新拠点ゾーン開発そのものをどうするのか?をすぐにでも考えなければなりません。

そこで、まず、市役所の建て替えですが、移転候補地8745㎡に対し、15,158㎡と敷地が広く、まだ耐震性を有している議会棟と別館がある現地での建て替えに検討のかじを切り替えるべきと考えます。

この現地建て替えで一番の問題となるのが、建て替え期間中の仮庁舎をどうするのか?が一番だと思います。

今回の基本構想改案であるように、現地建て替えでは、極力、建て替え期間中の仮庁舎、仮駐車場を量も期間も少なくしなければなりませんので、基本線は本館部分で新庁舎を建てていくべきと思います。

しかし、構想案にあるように、別館、議会棟を耐震化工事し、大規模修繕をするのはどうかと思います。

極力、そのまま使い、来るべき建て替え時期が来た時点で、適正規模を考え建て替えをするのか否かを決める。こうした規模の調整機能を持たせるべきであろうと考えます。

又、さらに仮庁舎の必要をなくすため現新館前の駐車場での建て替えも検討すべきと思います。

こうすれば仮庁舎は不必要となりますが、期間中の駐車場不足は避けられません。

そのため期間中は出来る限り車での来庁を避けていただくなど市民の皆さんにも協力を呼び掛けてはと思います。

実際に視察に訪れた明石市では、市長自らが市民へ直接、呼びかけ理解を得ているとのことでした。

そして最後に、今回の候補地購入問題、新拠点ゾーン開発への影響も含めての解決策を考えるならば、今回の購入対象地にまずは市民会館、図書館の複合施設建設用途で国から購入、そして建設。その後、2年位を目途に市役所の仮庁舎として使用し、この期間で建て替えを完了する。

こうすれば、期間中の仮庁舎、駐車場の問題を解決できるとともに、第三段階での北側の開発は民間施設のみでの開発となり、経済効果もより見込めるのではと考えます。

又、周辺の小学校にお子さんが通う保護者の方から、「市役所よりも、小中、大学ある環境なのだから、あそこは図書館が一番合っていると思う。そうすれば事故の心配も少なくなるのに」との声を聞きました。

さて、今後の検討について述べさせていただきましたが、それは、これまで市は移転ありきでいたことの反省をしていただきたいのと、仮に、今回の議案が否決となった際、市には急ぐべき市役所の建て替えのため、議会の意を踏まえつつ、次の検討にすぐに移っていただきたいからです。

それでは、最後に、市には、思い切った方向転換をするべきと強く要望し、議案第4号、財産の購入への反対討論とさせていただきます。

皆様のご賛同を心よりお願い申し上げます。

 

ご清聴、ありがとうございました。