6日、7日と一泊二日で病院特別検討委員会のメンバーで、富山市に病院視察に行ってきました。
まず、昨日6日は、富山県立中央病院を訪れました。
(一般病床数665床の富山県立中央病院)
富山県立中央病院は、平成20年度は約6億円の赤字でしたが、21年度からは黒字に転じ、28年度まで8期連続で黒字をキープしている経営状況の良い病院です。
さてさて、その秘密を探るべく主に病院経営の視点で、話をお聞きしました。
大赤字が続くわが、松戸市立病院の経営とはいったい何が違うのか?その答えはズバリ!
人件費の差です。
富山県立中央病院の27年度決算では、売り上げにあたる医業収益は約218億円で人件費総額は約98億円とのことでした。
たいして松戸市立病院は28年度決算値で、医業収益約140億円で、人件費は96.4億円でした。
この数字を見ていただけたらお分かりのように、売り上げは70億円以上多いのにもかかわらず人件費はほぼ同じなわけです。これでは黒字確保は到底困難なのは明らかです。
富山県立中央病院では人件費比率は40%台で推移しているのに、松戸市立病院の売り上げに対する人件費の割合(人件費比率)は毎年60%を超えています。
一般的に、市立病院のような急性期病院では人件費比率が50%を超えると黒字は厳しくなるといわれていますので、人件費を何とかしなければならないわけです。
しかし、市立病院は今年末に千駄堀新病院に移転が決まっており、その病床数は現在よりも30床多い600床です。
「人」を減らせば、600床の稼働は難しくなるので、単純にドクターやナースなどの人件費を減らすのはできないわけです。
したがって、人件費比率の改善は分母である売り上げを増やす方策しかないのが現在の状況かと思います。
富山県立中央病院では、様々な工夫により、診療単価を上げるのに成功したことが黒字化の要因とのことでしたので、こうした点を松戸市立病院でも研究し早急に実践しなければならないと思いを巡らせつつ中央病院を後にしました。